英語の絵本は多読のエッセンスになります。
どうして、絵本がいいのでしょう?
どんな絵本を選べばいいでしょう?
ぜひ、手元に置いて欲しい絵本を紹介します。
英語絵本はなぜ多読に必要なの?
多読を勧めるサイトや書籍などで、絵本のおすすめも紹介されています。
多読初心者はもちろん、多読が進んでいる人たちもぜひ、絵本を読んでもらいたいと思います。
絵本の大切さ
絵だけでも作者の世界観に入り込むことができる。
絵と文字が合わさることで、それぞれの単語に豊かなイメージが加わる。
何度も手にとって読みたくなるので、英文が自然に浸透する。
絵本を通して、文法的に難しい表現も無理なくわかるようになる。
多読を始めると、Graded Readersという、レベル別に作られたシリーズを読む事が多くなると思います。
Oxford Reading Treeは代表的なGraded Readersです。
最初のレベルでは、使う単語の数を100語程度に絞って書かれていて、レベルが上がるごとに使われる単語の数が徐々に増えるため、自然に語彙が増えるように作られています。
ORTは、Graded Readersの中でも、とても自然な文章で書かれています。
Graded Readers の中には、単語を絞っているために、表現が乏しくなったり、画一的な文章になるものも多くあります。
Graded Readersは読みやすくできていますが、そればかり読んでいると、英語表現の理解の幅が広がらず、なかなか次のレベルに進みにくくなります。
Graded Readersに対して、多読の中では「芸術絵本」と呼ばれている、語彙を絞らず書かれている絵本は、語数が少ないにも関わらず多読初心者には難解な本も多くあります。
絵本の選び方を間違えると、多読初心者には絵本がハードルが高くなってしまい、手に取らなくなりがちです。
でも、初心者にも読みやすい芸術絵本を読んでいくことで、英語の豊かな表現に馴染んでいく助けになってくれます。
多読初心者におすすめの絵本
初心者にも、語数を絞っていない絵本をぜひ読んでほしいです。
では、初心者にはどんな絵本が向いているでしょうか?
「Bunny Days」tao nyeu作
最近、古本屋さんで見つけて即買いした絵本です。
6匹の真っ白な子うさぎと頼りになる白くまさんとご近所のヤギ夫婦のお話が3つ入っています。
1ページに1センテンスの短い文章ながら、独特の世界観に引き込まれます。
文章が整っていて、多読を始めたばかりの人にもすっと入りやすいと思います。
「I am a bunny」Richard Scarry作
Richard Scarryは、絵辞典などもたくさん出版していて、絵辞典も眺めているだけでも楽しめます。
「I am a bunny」は、ページを開くたびに四季折々の美しい世界が現れ、うさぎのニコラスと一緒に自然の中でのひと時を過ごすことができます。
何度でも絵を眺め、文章に触れたくなる本です。
「little blue and little yellow」Leo Lionni作
日本でも有名なレオ・レオニの本の中でもおすすめはこの本です。
文章が短く、主人公は青と黄色のドットなので表情なども分からないのに、不思議に2人の喜んだり悲しんだりする気持ちがストレートに伝わってきます。
レオ・レオニは「Swimmy」や「Frederick」が有名ですが、少し文章が長いので、この本をぜひ手にとってみてください。
「Z is for Moose(That’s ME)」Kelly Bingham作
普通のABCブックではありません。
表紙では邪悪な顔をしているZebraですが、この本の騒ぎの主犯はMooseです。
Aから順に“A is for Apple” “B is for Ball”と続くかと思いきや、“D”でMooseが乱入してきます。必死にABC順にことを進めたいZebraと、自分の順番が待ちきれないMooseの駆け引きがなんとも面白く描かれています。
表紙をめくってから裏表紙で既に事件は始まっていて、最後の最後まで楽しめます。
「Professional Crocodile」Giovanna Zoboli作
文字なしの絵本なのですが、ぜひ手元におきたい本です。
題名の意味が、最後のページで明らかになります。
あそこに居た人が大事なシーンで出てきたり、なぜワニさんがバスの中で席を立ったのかがわかったり、何度も手にすることで見えてくるストーリーの奥深さがあります。
文字なしの絵本の大切さは、推察する力、言葉と言葉の間のストーリーを読み取る力を養えるところにあります。
文字だけの本を読むようになっても、絵本を豊かに読んでいると、文字だけで表されている奥にある作者の意図や感情の動きが読み取れるようになります。
そういう意味でも、絵本は上級者になってもぜひ読み続けてほしいです。
「Window」「Belonging」Jeannie Baker作
文字なしの絵本の中でもこの2冊は並べて読んで欲しいです。
中に出てくる人物が両方の本で交錯したり、メインストーリーの後ろで全く別のストーリーが進行していたり、小さなカードや窓際の小物などから主人公の成長を想像したり、文字では表しきれない大量の情報が絵の中に込められています。
大きな流れを通して作者の伝えたいメッセージも浮かび上がってきます。
「Bark, George」Jules Feiffer作
無垢な顔をした子犬のジョージが、なぜかネコやアヒルやブタの鳴き声でしか鳴けません。
心配したお母さん犬がお医者さんに連れて行くと、ジョージのおなかの中から、ネコやアヒルやブタがどんどん引っ張り出されて来て。。。というシュールなお話が繰り広げられます。
終盤に一件落着かと思いきや、最後のページで思いがけない一声が。そこで話は終わります。
見た目とは裏腹なスリリングな絵本です。
お気に入りの絵本を手元に
シンプルな短い文章で書かれた良質な絵本を読んでみてください。
英語らしい表現がしっくりと馴染んで、原書で読む素晴らしさを味わえるはずです。
多読は絵本に始まり絵本とともに歩んでいくといいと思うのです。
まだまだ紹介したい絵本があります。
今回あげた本は、特に本棚のお気に入りの場所に手に取りやすいように置いています。
絵本には人それぞれのお気に入りポイントや解釈があります。
自分には見つけられなかったことを他の人が見つけていたりします。
お気に入りの本をいろんな人とブックトークできる場がここでも作れたら素敵です。
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