英語ができるようになりたい。
漠然とそう思いながら、急に思い立って学習本を買ってみたり、英会話のラジオ講座を始めてみたりしていませんか?
でも、本に書いてある通りにやっても、ラジオ英会話を何年やっても、英語ができるようにならないし、続けるのも難しくないですか?
多読は確実に英語の力を付けます。
生徒さんたちの力の付き方を客観的に見てきて、また自分も英検1級や通訳案内士試験に合格してみて、多読でなければ付けられない力を実感しています。
多読は文字通り「たくさん」「読む」ことですが、大切なことの一つに
多読の効果を信じること
があります。
そして、効果を信じるためには、
自分の力がどのくらいついたかを定期的にチェックすること
です。
3か月前、1年前の自分を振り返ってみる
多読は自分の楽しいと思えること、本を読んだり、英語でドラマを観たり、Podcastで英語の番組を聞いたりして力を付ける英語学習法です。
ラジオ講座を何年やっても英語ができるようにならないのですが、多読は確実に力が付きます。
では、毎日何時間の多読で、いつ、希望のレベルになれるのでしょうか。
コースブックのように決まったテキストも時間数もないし、力の付き方は人それぞれです。
はっきり言えることは、一番効果が出るのは、興味を持って能動的に取り組んでいる時です。
人間は、意志を持って取り組んでいるとき、楽しいと感じているときに一番習得します。
単純な取り組む時間の長さではないのです。
多読が一番近道で効果的な英語の学習法だと私が断言できるのは、多読は楽しいと思えることを英語でやるからです。
楽しければ長く続けられます。
そして、気づいたときに、思いがけない力が蓄積されているのです。
特に、受験や資格の取得など、期限の決まった目標がある場合、本当に効果があるのか、どのくらい力が付いたかを実感することで、更に多読を進めることができます。
では、どうやって力が付いたか測るのでしょうか。
自分のベンチマークに照らし合わせる
TOEICや英検などを受けて、英語力を点数化するのも一つの方法です。
でも、お金も時間もとられます。
お勧めは、自分のベンチマークになる本やドラマなどをいくつかチェックすることです。
多読はほかの人と比べるのではなく、過去の自分と比べてどのくらい力が付いたかを測るべきです。
私の最大のベンチマークは、大学生の時に買った、大好きな小説の原書です。
「The Door into Summer」(邦題:夏への扉 ロバート・A・ハインライン著)
中学時代からSFが大好きで、この本は何度も繰り返し読んでいました。
英語が好きだったので、いつか原書で読めるようになりたいと思っていました。
受験が終わって、英語の力もピークなので読めるはずと思って勇んで原書を買ったのに、1ページ目も読み切れずそのまま放置してしまいました。
多読を始めてしばらくして、再度手に取ってみましたが、やっぱり数ページ読んで放置。
その後も、何度か手にしては、前よりは読める感覚があるものの、のめりこめず投げる、を繰り返しました。
多読を始めて10年目の今年、初めて、読みだしたらそのまま話の中に入り込めて、3日くらいで読み切りました。
ずいぶん時間がかかりましたが、大きな大きな進歩です。
ベンチマークはいくつかあるといい
本だけでなく、ドラマなどのベンチマークもあるといいです。
「SUIT」というドラマは、私には難解すぎて1話見て投げていました。
1年前くらいに初めて観たとおもいます。
3か月くらい前、多読の仲間が勧めるのでまた観てみました。
やはり、2話まで見たところで、引き込まれず投げました。
昨日Netflixの「How I Met Your Mother」というドラマを観始めたら面白くて、会話が9割以上はっきりわかり、はまりました。
今までになく聞き取れる、と思って再度「SUIT」を見てみました。
話がわかる!面白い!
また一つ、ベンチマークをクリアしました。
前に読んだ本をもう一度読んでみる
ベンチマークになるのは、読めなかった本だけではありません。
以前読んで印象に残っていた本を、もう一度読み返してみてください。
当時よりずっとクリアに内容が分かったり、細かいところに気付いたり、英文から浮かぶ情景が鮮やかにイメージできたりするはずです。
長い本である必要はなく、絵本などでもいいと思います。
私の高校3年生の生徒さんが、小学校4年生のころに読んでいた「Magic Tree House」を何冊も持ち帰ってもう一度読み返しています。
当時はおぼろげに理解していたストーリーがとてもクリアに、とても簡単に感じると喜んでいます。
受験勉強の合間に、息抜きで昔熱中した本を読むというのもなかなか良いと思います。
多読手帳で記録を付ける
私の生徒さんには、多読手帳を書いてもらっています。
語数をカウントして、30万語を超えるのを一つの目安にしています。
100万語を超えると、かなり自由に読めるようになってくるようです。
語数以外にも、どんな本をいつ読んで、どんな感想だったかも大切な記録です。
手帳を見て、3か月前、1年前、3年前に読んだ本を時々振り返ると、以前と比べてどのくらい読めるようになったか、自分の物差しで測れると思うのです。
客観的に自分の力を見ることで、楽しんで読んでいるだけでいいんだ、と安心します。
多読で力が付く、ということに確信を持てれば、人生を通して英語の力を伸ばし続けていけます。
生徒さんが卒業したら、多読仲間として付き合っていきます。
このブログでも、多読仲間ができたら、私の多読ライフももっと楽しくなりそうです。
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